7月7日 ハードコーティングされたフローリング
『自宅近くに手ごろな中古マンションが売りに出た。 そのマンションはいまの住まいよりも更に駅に近くなる。 築4年のそのマンションは外観もまだ新しい。 二人で相談して、買うことを決心する。 せっかくの自分の財産なので、フロアーメンテを自分でやりたい。しかし、子供が小さくて手がかかり、どうしても自分達で出来ない。』
そんなユーザーからの依頼で、東京都内にコーティングの見積もりに行きました。 見積もり金額を出して、日程を決め、帰ろうとしたけど、念のために除光液で剥離テストをしてみたら、残念ながらそのコーティングがハードコーティングだった。
全く持ってお手上げだ。 剥離剤で剥離できないコーティングは、コーティング表面にどんなに傷が付いて見苦しくても、一切メンテナンスが不可能である。 そのユーザーは、念のため売主に前回どんなコーティング施工したのをかたずねたけど、マンションオプションでないこと以外は憶えていない。
まだわずかに光沢は残っているものの、4年間生活した傷の痕は相当なものである。 特に玄関を入ったすぐ、リビングの全体などは傷だらけでもうほとんど光沢は残っていない。
壁紙を新しく変えても、どんなに素敵な家具を入れても、フローリング一面に傷が入っていたのではやはり新たな住居に変わったと言う実感がわかない。
しかし、たった築4年のまだ新しいマンションのフローリングを、150万円以上もかけてリフォームする気にはどうしてもなれない。 この不合理に消費者に気付いていただきたい。
もしこのフローリングに何もしていなかったら、最低でも15年はそのまま使えただろうに。
この事実を知ったときのユーザーの落胆振りが忘れられない。 私に出来ることは、そのあとの掃除の仕方、数年後のリフォームの注意点を説明するぐらいである。
もしあなたが中古マンションを購入するときは、必ずフローリングのコンデションを確認してください。 出来たら、除光液でどこか目立たない箇所で剥離テストをして下さい。 もし、剥離テストで不合格が出たならば、そのフローリングは全て張替えをしなければなりません。 購入するときに、その張り替えの予算をあらかじめ準備しておく必要があります。
たった4年でフローリングを張替えしなければならないこの事実。
10年保証を謳っていてもその会社は3年後にはすでに存在しないかも知れません。
また、その会社が存在しても、生活上どうしても付いてしまう傷はどこの会社も決して保証してくれません!!
施工直後の光沢が美しければ美しいほど、その無数の傷はとても見苦しく見えます。
ただ『お掃除がらくだから』という安直な考えだけで決して選んではだめです!!
7月2日 符丁その5(小回り)
『こまわり』と読む。
これは分かりやすく言うと、ここまで仕事が終われば帰っても良い、と言う意味である。
別の言い方に“やりじまい”とか“早じまい”と言う言い方をする。
親方が、朝一番に職人にこれを伝えて、一言号令を発すると、仕事は信じられないスピードではかどる。
例えば職人5人がいたとする、普通の仕事をすれば、職人一人でせいぜい柱1本仕上げるのがやっとだとする。 そして朝一番に、(小回り)を命じて、『5人で柱5本仕上げたら帰っても良いぞ!』と号令を発するのだ。すると5人の職人達は、まるで馬車馬のように休憩も取らずに仕事をしまくる。 食事もそこそこに、午後4時には仕事が終わったりするのだ。
素人が考えると、『それって普段職人がサボっているのでは?』と思い勝ちである。 しかしそれは違う。 職人は、この『小回り』と言う言葉を聞くと、アドレナリンが出てきて、普段出ない力が出るようなメカニズムになっているのだ。
しかし、この命令を発することが出来るのは、5人の職人達の“技量”を熟知している親方だけが出来る一つの能力ともいえる。
この“みきわめ”を間違うと、お昼に仕事が終わったりするのだ。
私は職人7〜8人程度つれて、よくこの(小回り)をかけたものだ。
   
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